ビタミンE

ビタミンEの主な効果は、体内で抗酸化物質として働くことです。一般的に「活性酸素を消去する」、「心疾患、脳卒中、がんを予防する」、「老化を防止する」などと言われています。

しかし、サプリメントとして過剰摂取した場合、逆に死亡率が高まるとの報告も出されています。ビタミンE欠乏の予防と治療に対して、人での有効性が示されています。

ビタミンEを摂取すると、ビタミンEそれ自体が酸化されることによって、多価不飽和脂肪酸の酸化を防止します。酸化したビタミンEは、ビタミンCなどの抗酸化物質によって再度ビタミンEに再生されます。

食品由来のビタミンEとサプリメント由来のビタミンEでは、効果が異なる可能性があります。

例えば、「食事からの摂取で心臓病 (心筋梗塞のような冠状動脈疾患など) の一次予防に対して、有効性が示唆されている。ただしサプリメントではこのような効果はないと思われる」のような報告です。

ビタミンEに関して、症状によってはサプリメントで摂取した場合の効果が小さい場合があり、ビタミンEの本来の効果を引き出すためには食品由来のビタミンEを補う必要があるのかもしれません。

ビタミンEを食事から摂取した場合、心筋梗塞のような冠状動脈疾患などの予防効果が示唆されています。しかし、アテローム性動脈硬化症の進行遅延と死亡率低下には効果がないと示唆されています。


現時点では、ビタミンEはがん予防に効果があるとされる報告と、がん予防に効果がないとされる報告の両方が存在します。

例えば、「前立腺がんの予防に経口摂取で有効性が示唆されている」、「男性喫煙者の肺がん防止に対し、効果がないことが示唆されている」などです。

有効性が示唆されているのは、上記の通り経口摂取においての前立腺がんの予防で、逆に効果がないと示唆されているのは、男性喫煙者の口腔内粘膜病変予防、肺がん防止、膵臓がん予防と死亡率減少などです。


(栄養機能食品の機能表示)ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。

(注意事項)本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。


ビタミンE(α-トコフェロール)の1日当たりの所要量(18~69歳の所要量の平均値)。

・男性…7mg
・女性…6.5mg
・男女平均…6.75mg


(年齢…男性の所要量/女性の所要量)

・0~5か月…3mg/3mg
・6~11か月…3.5mg/3.5mg
・1~2歳…3.5mg/3.5mg
・3~5歳…4.5mg/4.5mg
・6~7歳…5mg/5mg
・8~9歳…6mg/5.5mg
・10~11歳…6.5mg/6mg
・12~14歳…7mg/7mg
・15~17歳…8mg/7mg
・18~29歳…7mg/6.5mg
・30~49歳…7mg/6.5mg
・50~69歳…7mg/6.5mg
・70歳以上…7mg/6.5mg


(妊娠中、授乳中は上記の所要量に下の数値を加える)

・妊娠中…+0mg
・授乳中…+3mg


(年齢…男性の耐容上限量/女性の耐容上限量)

・0~5か月…-mg/-mg
・6~11か月…-mg/-mg
・1~2歳…150mg/150mg
・3~5歳…200mg/200mg
・6~7歳…300mg/300mg
・8~9歳…350mg/350mg
・10~11歳…450mg/450mg
・12~14歳…600mg/600mg
・15~17歳…750mg/650mg
・18~29歳…800mg/650mg
・30~49歳…900mg/700mg
・50~69歳…850mg/700mg
・70歳以上…750mg/650mg


ビタミンEの欠乏症は次の通りです。

・神経や筋障害の症状

しかし、ビタミンEは植物油に豊富に含まれているため、通常の食生活を行う限りは欠乏症はほとんどみられません。


ビタミンEの過剰症は次の通りです。

・骨粗しょう症
・死亡率が高まるとの報告


ビタミンEの所要量はα-トコフェロールの量として表記されます。

ビタミンE群としてはα-トコフェロール以外にもβ-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールなどがありますが、これらのビタミンE群の中でもα-トコフェロールが最も高い効果を持ち、主に抗酸化物質として働くと考えられています。


ビタミンE(α-トコフェロール)が多い食品の1~100位を掲載。(含有量は100g当たり)

・緑茶のせん茶の茶…64.9mg
・ひまわり油の高リノール酸…38.7mg
・ひまわり油のミッドオレイン酸…38.7mg
・ひまわり油の高オレイン酸…38.7mg
・アーモンドの乾…31mg
・唐辛子の果実の乾…29.8mg
・アーモンドのフライの味付け…29.4mg
・小麦胚芽…28.3mg
・綿実油…28.3mg
・緑茶の抹茶…28.1mg
・サフラワー油の高オレイン酸…27.1mg
・サフラワー油の高リノール酸…27.1mg
・米糠油…25.5mg
・菊の菊のり…25mg
・鮎の養殖の内臓の焼き…23.5mg
・ヘーゼルナッツのフライの味付け…17.8mg
・とうもろこし油…17.1mg
・緑茶の玉露の茶…16.4mg
・ファットスプレッド…15.7mg
・菜種油…15.2mg
・ソフトタイプマーガリン…15.1mg
・ドレッシングのマヨネーズの全卵型…14.7mg
・あんこうのきもの生…13.8mg
・マツモの素干し…13.2mg
・調合油…12.8mg
・松のいり…12.3mg
・クラッカーのオイルスプレークラッカー…12.2mg
・ひまわりのフライの味付け…12mg
・松の生…10.8mg
・落花生のいりの大粒種…10.6mg
・落花生のいりの小粒種…10.6mg
・白鮭の筋子…10.6mg
・大豆油…10.4mg
・落花生の乾の大粒種…10.1mg
・落花生の乾の小粒種…10.1mg
・鶏卵の乾燥卵黄…9.9mg
・発酵茶の紅茶の茶…9.8mg
・ボラのからすみ…9.7mg
・牡蠣の燻製油漬け缶詰…9.5mg
・ショートニング…9.5mg
・ドレッシングのマヨネーズの卵黄型…9.5mg
・キャビアの塩蔵品…9.3mg
・白鮭のイクラ…9.1mg
・唐辛子の果実の生…8.9mg
・パーム油…8.6mg
・かやのいり…8.5mg
・唐辛子の葉・果実の油いため…8.5mg
・マグロの缶詰の油漬けのフレークのホワイト…8.3mg
・鮎の養殖の焼き…8.2mg
・いわしの缶詰の油漬け…8.2mg
・スケトウダラのたらこの焼き…8.1mg
・唐辛子(とうがらし)の葉・果実の生…7.7mg
・鮎の養殖の内臓の生…7.4mg
・うなぎの養殖の生…7.4mg
・オリーブ油…7.4mg
・落花生の未熟豆の生…7.2mg
・桜えびの素干し…7.2mg
・パセリの乾…7.2mg
・スケトウダラのたらこの生…7.1mg
・落花生の未熟豆のゆで…6.8mg
・鮎のうるか…6.7mg
・鶏卵の乾燥全卵…6.6mg
・モロヘイヤの茎葉の生…6.5mg
・スケトウダラの辛子明太子…6.5mg
・数の子の乾…6.4mg
・ニジマスの海面養殖の焼き…6.3mg
・ナマズの生…6.3mg
・えびの佃煮…6.3mg
・ポテトチップスのポテトチップス…6.2mg
・トマト加工品のペースト…6.2mg
・ドレッシングのサウザンアイランドドレッシング…6.1mg
・落花生油…6mg
・ドレッシングのフレンチドレッシング…6mg
・ニジマスの海面養殖の生…5.8mg
・オリーブのピクルスのグリーン…5.5mg
・調製粉乳…5.5mg
・ブリットル…5.5mg
・オリーブのピクルスのスタッフド…5.3mg
・うなぎの白焼…5.3mg
・すだちの果皮の生…5.2mg
・数の子(かずのこ)の生…5.1mg
・鮎の養殖の生…5mg
・西洋かぼちゃの果実の生…4.9mg
・大根の葉のゆで…4.9mg
・つくしの胞子茎の生…4.9mg
・うなぎの蒲焼…4.9mg
・オオサガの生…4.9mg
・大豆の全粒のブラジル産の乾…4.8mg
・ピーナッツバター…4.8mg
・めたでの芽ばえの生…4.8mg
・くじらの本皮の生…4.8mg
・西洋かぼちゃの果実のゆで…4.7mg
・アミの佃煮…4.7mg
・バジルの粉…4.7mg
・菊の花びらの生…4.6mg
・とんぶりのゆで…4.6mg
・干しわらびの乾…4.6mg
・オリーブのピクルスのライプ…4.6mg
・アマノリの焼きのり…4.6mg
・真鯛の養殖の焼き…4.5mg