肥満外来の治療法とBMIなど診断基準
肥満外来で治療が必要なケースはBMIの数値が一定を超えていることに加え、肥満関連疾患を患っているか内臓脂肪の面積が一定を超えている場合です。ただ単にBMIの数値が多いだけでは肥満外来で治療が必要なケースには該当しない場合があります。
肥満の定義はBMIが25以上であることです。BMIによる肥満の定義には低体重から肥満4度まで6段階あり、下から言うとBMIが18.5未満は低体重、18.5以上25未満は普通体重であると定義されています。
残りの4段階は肥満状態の基準であり、1度から4度まであります。BMIが25以上30未満は1度、30以上35未満は2度、35以上40未満は3度、40以上は4度です。1度が最も軽く、4度が最も高度な肥満です。最近決められた新基準ではBMI35以上が「高度肥満」と定義されました。
BMIが25以上で、更に次の1か2に当てはまる場合は肥満症と診断されます。
1.肥満関連疾患(耐糖能障害、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、月経異常及び妊娠合併症、睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、整形外科的疾患、肥満関連腎臓病)のうち1つ以上の健康障害を合併する場合。
2.内臓脂肪の面積が100cm2(平方センチメートル)以上の場合。
上記の肥満症に該当する場合は治療が必要になります。一般的に言って肥満であることは病気ではありません。しかし肥満であることが問題になるのは病気になりやすいことであり、肥満関連疾患は特に内臓脂肪が多い場合に引き起こされやすいことがわかっています。
そのため、すでに肥満関連疾患を患っている場合に治療が必要なことは言うまでもありませんが、内臓脂肪が多い場合であっても肥満関連疾患になりやすい状態であることから治療が必要になるというわけです。
肥満外来で肥満症と診断された場合に行われる治療法は様々です。肥満となった原因も個人によって異なりますし、病院の得意とする治療法の分野も様々だからです。しかし肥満治療の基本は食事療法と運動療法です。
その他、食欲を抑える薬であるマジンドール(サノレックス)を処方する薬物療法を行う場合もあります。BMIが35以上の高度肥満症の場合はこの薬の処方に対して保険適用があります。
肥満を原因とする重大な疾病がある病的肥満の場合、減量手術が行われる場合もあります。手術内容としては胃の一部を切り取って物理的に胃を小さくするもの、または胃を切ることなく一部を縛ることで胃の容積を小さくする方法などがあります。