特定部位の脂肪だけ落とすことは可能?
足の脂肪だけを落とす、またはお腹だけ痩せるといった部分痩せダイエットは可能なのでしょうか。まずアメリカの連邦取引委員会は「特定の部位の脂肪だけが燃焼することはあり得ない」との意見を表明しています。
基本的にはこの考え方で間違いなく、ダイエットをすれば全身の脂肪が平均的に落ちると考えていてよいと思いますが、お腹の脂肪だけは例外があります。
片足だけの脂肪を減らすことができなかったという実験結果がありました。これは英語の論文の記載内容ですが、被験者に片足だけでこぐ自転車トレーニングを行わせたところ、ペダルをこいだ方の足と使用しなかった方の足の脂肪の量に違いがなかったようです。
運動量としては1日に60分間の片足こぎの自転車トレーニングを週3回、12週間行わせたようです。これだけの運動量だと有酸素運動としては脂肪を減らすには十分であり、もし部分痩せが可能であれば片足の脂肪だけが減っていたはずです。少なくとも少しの差はあってもよいはずです。
しかし結果的に両足の脂肪の量が同じだったため、部分痩せは不可能ではないかと推測されます。
お腹の脂肪だけを落とすのはまだ実現の可能性が大きいです。厳密に言えば他の部位の脂肪を全く落とさずお腹の脂肪だけを選択的に落とすことは不可能です。しかし他の部分よりも比較的に多めに落とすことは可能です。
なぜなら足とお腹の脂肪には異なる点があるからです。足の部分には皮下脂肪が付いていますが、お腹に付いているのは皮下脂肪と内臓脂肪です。上に足の脂肪だけを減らすことは不可能だと書いた通り、体のある特定部位だけの皮下脂肪を減らすことはできませんが、皮下脂肪と内臓脂肪の付き方のバランスはダイエットにより変化するからです。
肥満には大きく分けて皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の2種類があります。皮下脂肪型肥満の人の場合はダイエットにより皮下脂肪が優先的に減っていくのに対して、内臓脂肪型肥満の人の場合は内臓脂肪から優先的に減っていきます。
他の部分は痩せているのにお腹の脂肪だけが特に気になる体質の場合、内臓脂肪型肥満である可能性が高いです。この場合はダイエットにより内臓脂肪が優先的に減ることでお腹のポッコリを比較的容易に解消できると言えるでしょう。
ちなみに皮下脂肪型肥満の人がダイエットをすれば全身の脂肪が平均的に落ちやすく、内臓脂肪型肥満の人がダイエットをすればお腹の脂肪がまず落ちやすいという違いがあります。