EMSのダイエット効果は本当?
EMSには本当にダイエット効果があるのでしょうか。emsは高齢者など運動ができない人のために開発されたものです。
EMSの使用でダイエット効果が認められた例
EMSの実験でダイエット効果が認められたという例があります。運動習慣を持つ健康的な女子大学生9名に対して1日80分間、連続30日間の腹部に対するEMSの使用により、ウエストのサイズが減少したという例です。
この例では、30日間のEMSの使用でウエストのサイズが有意に減少し、腹直筋の断面積が有意に増大したとのことです。また体幹部の脂肪量と体脂肪率も顕著に減少したようです。
EMSの使用中は血中の中性脂肪濃度が上昇し、使用停止10分後に低下しています。この実験例でどれくらいの脂肪が減少したのかは不明ですが、「効果のあるダイエット方法と思われる」と締めくくられています。
また、手術後にEMSの電気刺激によるリハビリを行った別の例では、「電気刺激によって有意にエネルギー代謝、糖代謝が活性化することが確認された」ようです。
上記の通り、何も運動をしていない安静時と比べれば、EMSを使用している時にはエネルギー消費量がいくらかは増えるようです。
EMSでどれくらい脂肪が減るのか
EMSの使用によって脂肪がどれくらい減るのでしょうか。
上記の実験例では「ウエストのサイズが有意に減少」とは書かれていますが、「効果のあるダイエット方法と思われる」と締めくくられていることから、通常のダイエット方法と比べてEMSの方が明らかに効果が大きかったとは言えないのでしょう。
「有意」の定義は「確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる」といった程度の意味合いです。ウエストのサイズが減少したのは確率的に偶然とは考えにくく、EMSによるダイエット効果が影響したと考えられる、という程度の意味合いです。
よって、目に見えるほど脂肪を減らすには、EMSを毎日長時間・長期間使い続けなければならないと思われます。
EMSによる低温火傷の傷跡の報告
EMSを使って低温火傷による傷跡ができた、という報告があるようです。筋肉を鍛える効果やダイエット効果をうたったEMSベルトによる事故の報告が独立行政法人製品評価技術基盤機構にあったようです。
そのうちの1件の報告では、EMSベルトを腹部につけて10分間を9セット連続で行ったところ、腹部に直径2㎜、深さ約1㎜の穴のような傷跡が6か所できたというものです。病院の医師による診断では「低温火傷であり、傷跡は残る」というものでした。
EMSの危険な使用方法
EMSは正しい使用方法に従わなければ危険性を伴います。上記の低温火傷の事例では、EMS本体の構造が10分間の使用で自動的に電源が切れるようになっていました。それを連続使用したために低温火傷という事故につながったようです。
また、EMSは胸部など心臓に近い部分には使用しない方がいいようです。心臓に電流が流れることから、心臓に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。